技術移転の計画は、契約締結後に初めて作るのではなく、買い手が取得後に何を再現できる必要があるかから逆算します。特許の名義変更と、技術を実際に使える状態への移行を別の作業として管理します。
目次
引渡し対象を、完了条件と結び付ける
- 設計図・製造条件:どの版を渡し、誰が承認し、どの設備で再現確認するか。
- コード・データ:リポジトリ、形式、依存環境、利用権限、再構築の方法。
- 研究成果:試験条件、生データ、解析方法、成功・失敗の記録。
- 顧客・保守:対応中の課題、品質保証、問い合わせ窓口、継続義務。
初日・移行期間・完了後で担当を分ける
実行日には、業務に必要な権限、契約、問い合わせ窓口が利用できる状態を確認します。移行期間は売り手と買い手の責任者、会議の頻度、質問の記録、追加作業の承認方法を決めます。完了後に残る技術支援については、期間・範囲・対価を契約に合わせます。
発明者が不在でも動く状態を目指す
熟練者の判断を手順書だけで置き換えられない場合、実演、共同作業、例外事例の説明を組み合わせます。引継ぎ先の習熟を確認し、担当者の退職・休職などが生じた場合の代替策も検討します。残留や協力を本人の合意なしに前提へ置かないことが大切です。
完了の確認を記録する
未解決課題、提供済み資料、検証結果、追加対応、双方の確認日を台帳に残します。成果連動対価や検収条件がある場合は、技術移転の完了と業績達成を混同せず、評価指標と判定者を明確にします。
M&AとPMIの関係は特許庁IP BASEの標準手順書でも整理されています。取引固有の知財・人材・契約に合わせて移管計画を設計してください。
