ノウハウは、特許の登録番号のように一覧化しにくい資産です。製造条件、失敗した実験、顧客ごとの調整、保守の判断基準などを「誰が、どこに、どの条件で持っているか」から整理します。
目次
特許公開と秘密情報を分ける
特許公報に公開された事項と、社内に残る未公開の実装条件は区別します。秘密情報として扱いたい範囲を特定し、権利化・公開する情報と秘匿する情報の方針を整理します。
資料だけでなく管理の実態を確認する
- ファイル・研究ノート・設備設定の所在と、管理責任者。
- 閲覧者、権限付与・削除の手続き、社外持出しの記録。
- 従業員、委託先、共同研究先との秘密保持の約束。
- 退職・契約終了時の返却、権限停止、保管と削除。
不正競争防止法上の営業秘密は、有用性・秘密管理性・非公知性の要件を満たす必要があります。NDAがあることだけで要件を満たすとは限りません。経済産業省の営業秘密に関する案内を参考に、管理状況を専門家と確認します。
候補先への開示は粒度を分ける
初期説明では用途、解決する課題、実証の概要を示し、核心となる配合・パラメータ・コードは不用意に送らないようにします。NDA後も必要な閲覧者に限定し、競合へ開示する場合の確認手順や閲覧記録を決めます。
引継ぎの完了条件を具体化する
資料のファイル数だけで完了を判断せず、買い手が一定の条件で再現できるか、例外時の判断を説明できるかを確認します。研修、実機による確認、支援期間、追加対応の費用と責任を合意し、特定の一人だけに依存しない移管を計画します。
